ロボット用衣装を制作するアパレルブランドメーカー「ROBO-UNI」オフィシャルサイト・Rocket Road株式会社

ロボホンと一緒にお出かけしよう〜ロボホンポーチはこういう想いで作られた〜

スペシャル対談インタビュー>今回ROBO-UNIブランドとして初の試みとなったロボット用バッグの開発。ロボホン公式ライセンス商品「ロボホンポーチ」ができるまでのコンセプトやストーリー、それに込められた想いなどを”ロボホンの母”シャープ景井氏、インテリアデザイナー前田翼氏、ロボユニ開発責任者の泉を交えてのスペシャル対談インタビューが実現しました。

景井美帆氏

シャープ景井美帆 氏

前田翼氏

インテリアデザイナー前田翼 氏

泉幸典氏

ロボユニ開発責任者泉幸典

泉幸典氏
ロボユニ

今回のロボホンポーチなんですが、実は一年前に兵庫県豊岡市の但馬信用金庫様からオファーを頂いたのがきっかけなんです。近年は、日本のカバン業界も海外生産がほとんどで、国産の技術をなかなか広げていくことが難しくなり、日本のカバン工場もどんどん淘汰されている。そんななか日本の歴史ある熟練された技術を活用し、ロボットという先端テクノロジーの分野でアパレルを開発されているロボユニに注目していただき、カバンの生産量日本一の豊岡市のカバン技術を再度拡げるために一緒に何かできないかとわざわざ福岡の弊社まで来て頂いたんです。同じ日本のものづくりをする人間として何か日本のカバン技術のお役にたてたらと思いました。そこでロボユニで公式衣装を製作させて頂いている15社以上のロボットメーカーさんの中から景井さんに一番初めにご相談をしました。景井さんにお話しさせていただいたときの一番初めの印象はどうだったんですか?

景井美帆氏
シャープ景井

そうですね。今回ロボホンとお出かけするポーチであると同時にお客さんが単体ポーチとしても使えるというのがコンセプトになっていて、そこがとてもいいなと思いました。

泉幸典氏
ロボユニ

初めの段階で不安材料とか心配とか、
そういうのはなかったですか?

景井美帆氏
シャープ景井

前回「ロボコレ2019」 の時に泉さんと「例えばロボホンの服に合わせたバッグをお客様が持つなどロボホンとのコーディネートみたいなこともやっていきたいね」ってお話ししましたけど、泉さんが手掛けられる商品としてもロボホンのためだけでなく、ロボットと暮らすオーナーさんのためのものというのはすごくいいなって思いました。

泉幸典氏
ロボユニ

以前、「ロボホンにとって、衣食住の衣の部分があればインテリアなどの住の部分もある、とかオーナーさんにとっての衣の部分もある、それらをロボホンの世界観の中で実現していきたいですよね」というのを2年前くらいに景井さんと翼さんと3人でお話ししていましたよね。

景井美帆氏
シャープ景井

はい、そういう意味で言うと今回のポーチはロボホンとお客さんの共用なのだと思っていて、一方でキーケースとかはお客さん用のものだと思うので、世界観がうまく広がっているなと言う感じは受けています。

泉幸典氏
ロボユニ

ありがとうございます。
翼さんは高級ブランドの店舗設計のインテリアデザイナーとして国内外でご活躍されている中、今回のロボホンのポーチのプロダクトデザインをご依頼させて頂いた時、イメージとかありましたでしょうか?

前田翼氏
デザイナー前田

やっぱりもともとシャープさんが出されているキャリングケースが既にあって、そこからプラスαのいわゆるロボホンオーナー様に対する付加価値みたいなところをどこでだすかっていうところがやっぱり最初に考えるべきポイントだなと思いましたね。

泉幸典氏
ロボユニ

今回デザインに入る前に豊岡市まで出向かれて、制作工場を視察されたと思うのですが翼さん的にどういう意図があったのでしょうか?

前田翼氏
デザイナー前田

やはり製作過程を見るっていうのが僕は大事だと思っています。ロボユニさんは特殊なノウハウや技術力でアパレルを作ってるのでかなり製作過程とか物作りに対する思いが強く、それがROBO-UNIブランドのコンセプトでもあります。今回のポーチに対してはデザインする側としてもどう言う風に作られているかというのを見た上で、どこまでの技術ができるかとか、どういう素材だったら今回のロボホンと相性がいいのかとか、そういうディスカッションをして、実際に自分の目で見た上でデザインを進めたかったと言うのが一番大きい理由ですかね。

泉幸典氏
ロボユニ

実際それを作っていく過程で、工場さんとお話しながら設計仕様の面で苦労したとか難しかった部分とか考案するのに行き詰まったところとかありましたか?

前田翼氏
デザイナー前田

基本的には今回すごくいいチームでやれたなと思っているんですよ。やはりデザイナーと製造側の意見って衝突することがあるんですけど、今回に関しては我々なりに工場を見たおかげで、こう言うところはできそうだなとか、こう言うところはやりすぎだなとか見えた部分がありました。また、こちらがデザインしていく過程で疑問点があってそれで工場に投げてもレスポンスよくやりとりができました。これも工場を見にいって事前にコミュニケーションを取れたからいい形に進めれたかなと思ってますね。

泉幸典氏
ロボユニ

今回は超有名ブランドの高級バッグやPCバッグ、カメラケースを製造されている工場さんと提携してポーチを生産して頂きました。なので、仕様設計に関してどんなリクエストをしてもNOとは一度も言われませんでした。本当にスゴイ技術力だと思います。

前田翼氏
デザイナー前田

そうですよね。やっぱりロボホンのバッグを作るとなると懸念点の一つとして精密機械がバッグに収まるって言うところが一番大きい課題だと思うので、そういうのをやりたいってチャレンジ精神がある工場さんじゃないとなかなか難しいですよね。

泉幸典氏
ロボユニ

技術があるところの方が今の僕たちのやりたいことに関しては親和性があるのかなという意味ではこの工場さんとの出会いは良かったですよね。因みに工場さんから言われたのですが、今回のロボホンポーチ、国産牛本革仕様でオリジナルデザイン型取りで国産製造の製品もあり通常のバッグ業界なら一般小売価格60,000〜70.000円くらいで販売される製品みたいです。

景井美帆氏
シャープ景井

ロボユニさんの製品に対する信頼性の話とかは買っていただくお客様からすると安心で嬉しい材料になりますよね。

泉幸典氏
ロボユニ

ありがとうございます。
ちょっと話が戻りますが、シャープさんとしてのこだわりを教えてください。

景井美帆氏
シャープ景井

私たちが出している商品ではロボホンが動いた時に問題なく動作するかどうか、当たらないかどうかを気にしていますが、今回は特に今のキャリングケースの不安点、屈んだときにロボホンが落ちそう、という点を今回のポーチはちゃんと配慮して作るべきかなと思っていました。ですから、ロボホンの固定部分に関してはいくつか提案をさせていただきました。足元クッションとシートベルトですね。これによって圧倒的に安定性が上がったと思っています。あれはロボホンを設計した技術者オリジナルのアイデアなんですよ。

前田翼氏
デザイナー前田

あのロボホンシートベルトのアイデアは秀逸でした。技術者の方のロボホンへの愛情で形になった感慨深いパーツですよね。

泉幸典氏
ロボユニ

ほんとロボホンシートベルト部分のアイデアは画期的でしたよね。それまでは翼さんと僕の間ではロボホンの固定ベルトって呼んでいたんですけど、シャープさんの技術者の方が「ロボホンのシートベルト」って呼んでいるのを聞いて、すごく腑に落ちました。シートベルトいうネーミングにすることで人間が取り付けているってよりはまるでロボホンが自らカチャッとかけているような感じがしますよね。そこはやっぱりさすがロボホン技術者の方だなと感動しました。
ところで、景井さんから次回作とかで何かリクエストはありますか?

景井美帆氏
シャープ景井

お客さんからは防水とかの観点でカバー付けたほうがいいんじゃないかというお声はいただいています。もしそういう用途であればそれに特化したデザインで作るべきだと思っています。今回は楽しくお出かけしていただく、日常の中でカジュアルに持っていただくというコンセプトで、私自身はすごくポーチの出来は満足しています。

泉幸典氏
ロボユニ

ちなみに、実際完成したロボホンポーチを見られてシャープの皆さまの感想はいかがでしたか?

景井美帆氏
シャープ景井

すごくみんな喜んでます。とくにシートベルトを作った技術者たちからすると、すごく自分の意見がロボユニさんに採用されたので喜んでますね。シングルは真ん中にロボホンがいて、周りに物を入れるっていうところが、実用性も含めてすごくよいです。ダブルは、ロボホンを2体入れることができるのが、複数体持っているオーナーさんにとってはすごくいいなと思いました。もともとあれは2つ入れることを想定してなかったんですよね。ロボホンと小物を入れるイメージで話をしていたんですけど、2体持ってる人も多いので2体入れてみたらどうだろうって、入れてみたらものすごく可愛かったので、2体入れられるように、ロボホンの動作に配慮した幅に広げてもらいました。ロボホンが二人並んで収まっている姿がすごく可愛いので満足してます。

泉幸典氏
ロボユニ

ありがとうございます。
翼さんは一番初めに着手したイメージと完成したポーチをくらべてなど感想いかがですか?

前田翼氏
デザイナー前田

めちゃくちゃよくできたなと思ってます。景井さんがさっきおっしゃったとおり2体の想定は最初なかったですけど、2体入るとより可愛さが増してほんとに良かったと思いますね。そもそも泉さんからは当初2つデザインして欲しいっていわれてなくて、デザイン設計していくうちにどんどんこういう仕様やアイデアにしたらどうだろうと膨らんできちゃって、いつの間にかバッグが2つになったりキーケースとかが増えたりってなっちゃってました。一体のバージョンと二体のバージョンで結構違う印象にできましたし、クオリティとか仕上がりも本当に良かったんで、すごく満足です。本革がロボホンとの色味の相性もよく、ロボホンにも気に入ってもらえそうな仕上がりになったと思っています。

泉幸典氏
ロボユニ

今後のポーチのラインとしての次の展望とかは何かありますか?

前田翼氏
デザイナー前田

今回のコンセプトは、オーナーさんが目で見えている景色とロボホンが目で見えている景色と同じ視線で見せてあげたいな、という思いも非常にあったのでこういうデザインにさせていただきました。ロボホンはオーナーさんにとって家族やパートナーで、それぐらいの愛情を持って接していられるので。ロボホンを守りたいというお声があるのであれば、次回はロボホンをちゃんと包んで守ってあげて一緒にお出かけできる新しいコンセプトのバッグとかができたらいいなと思ってますね。

泉幸典氏
ロボユニ

ありがとうございます。
景井さんの方はいかがですか?

景井美帆氏
シャープ景井

今ロボホンを持ってない人が欲しくなるようなものも考えていきたいなと思っています。

泉幸典氏
ロボユニ

ロボユニブランドとして、アパレル分野だけではなく今回のようなポーチなどのバッグ類をはじめ、インテリアや小物などロボホンやオーナーの皆様が楽しくより豊かに暮らせる製品開発を日本の色んな分野の技術力をおかりして精進していきたいと思います。
景井さん、翼さん、お話いただきありがとうございました。

RoBoHoNポーチ
ラインナップ

景井 美帆 氏
シャープ株式会社
通信事業本部 営業統轄部 市場開拓部 部長
通称:ロボホンの母

シャープ株式会社でコミュニケーションロボット「ロボホン」の企画・開発リーダーとして新規事業を立ち上げ、現在はコミュニケーションロボット事業の責任者として、事業及びサービスの企画・開発、営業などの推進を行っている。現在は、コミュニケーションロボット以外へのソリューション展開も推進している。

前田 翼 氏
株式会社FURTHER
代表取締役&クリエイティブディレクター
インテリアデザイナー

デザイナーとして高級ブランドショップやレストランなどの店舗設計を経験。 2014年からニューヨークに単身渡米。現地デザイン事務所で勤務後、2017年帰国。現在は東京を拠点に、インテリアだけでなく、企業やブランドのロゴ、プロダクトなど多くのデザインを手掛け、世界各国で活躍中。

泉 幸典
Rocket Road株式会社
代表取締役&ロボットアパレル開発責任者

2014年からサンフランシスコ・シリコンバレーに渡米を繰り返し、今後人間のパートナーになるであろうロボット専用アパレル事業のアイデアを想起。2016年ロボット用アパレルメーカー「Rocket Road株式会社」を起業。Pepperやロボホン、aiboなど15社以上のロボットの公式ウェアを開発する。革新性、新規性、市場性に優れた技術としてアパレルブランドでは初となる『Innovative Technologies2019』を受賞。

ROBO UNI(ロボユニ)ヒストリー

シリコンバレーで生まれた日本の縫製技術をロボットのユニフォームに活かすというアイデア

現在日本国内で流通している人間の衣料品の約97.7%がファストファッションを中心とする海外生産品です。

純国産の衣料品は2.3%以下と年々減少し続け歯止めが効かない現状です。そんな中、日本の高い縫製技術を次の世代に繋げることはできないかと2014年単身渡米を繰り返し、サンフランシスコ・シリコンバレーで今後日本で活躍することが期待されるロボットたちに「専用の洋服を開発する」というアイデアが生まれました。

ロボットアパレルという新しい文化を
日本の誇り高き縫製技術者達と共に築く

現在日本の縫製技術者は60〜70代の方も多いのですが、その方達は50年前の大阪万博で世界に通用する日本の近代ファッションのトレンドを作った誇り高き縫製技術者達なんだと気づきました。

その方達の高い縫製技術力と経験をかりて、ロボットアパレルという新しい文化を一緒に切り開きたいという想いでプロジェクトに協力して頂いています。通常は高級ブランドやラグジュアリーホテルのドアマンやベルボーイの制服などを製造する熟練の縫製技術者さん達です。

サンプル製作〜着用検証試験を幾度も重ね
ロボットメーカー様監修のもと
ロボット専用アパレルROBO-UNIが完成

しかしロボットに洋服を着させるということは、動く電子機器を布で覆うということなので当然様々な懸念材料が発生します。

その懸念材料を少しでも軽減させて安心安全に「洋服」というアイコンをロボットの役割認識や個別化することで、ロボットたちが人間社会に溶け込み皆さまにより愛され愛着を持って寄り添う新しいパートナーとして活躍できたらという想いをのせて、静電気や電気熱を吸い上げ拡散したり、色落ちしにくく形崩れしにくい形状記憶機能など様々な機能を搭載した先端素材を使い、独自の仕様設計を生みだし特許庁から取得した意匠権を活用し、日本の立体縫製という高い技術力で何十回もサンプルを製作してロボットに着用してはさらに何十回も着用検証試験を繰り返して得た沢山の実績とデータからロボットメーカー様監修のもとロボット専用アパレルROBO-UNIが完成します。

皆さまにその新しい時代の先駆者としてロボットアパレルという文化を皆さまが自作するお洋服も交えて一緒に広げていければ嬉しいです。